紀三所社(きのさんしょしゃ)


和歌山市には「三社参り」という風習が残っています。
アマテラスを祀る(?)とされる日前宮日前神宮國懸神宮)。
神武の兄、彦五瀬命(ひこいつせ)を祀るとされる竈山神社
スサノオの子、五十猛命(いたける)を祀るとされる伊太祁曽神社
この三社を、たま電車で巡るのです。(もちろん車でも何でもOKです)

これとは別に「紀三所社(きのさんしょしゃ)」
と呼ばれる神社があるようなので巡ってきました。





静火神社(しずひじんじゃ)。

神社のある木立は特定できたのですが
登り口がわかりません。唯一この標識
を見つけたので登ってみました。



この雰囲気なら間違いないでしょう。






ありました。






最近整備されたようです。






祭神は「カグツチ」。
イザナミの死因とされる火傷を負わせた神で
激怒したイザナギに殺されたという神です。

けれど、
カグツチの血から、多くの神が生まれています。
タケミカヅチもその一柱です。気になる神です。


右手前の木立は、彦五瀬命の墓と伝わる竈山墓。
左奥の木立が静火神社のある所です。

延喜式において、静火神社は竈山神社より格上だったという。
今は竈山神社の境外摂社という位置づけらしい。






次は志磨神社(しまじんじゃ)。







街中の平坦なところにあります。







祭神は「中津島姫命」。宗像三女神の一柱、
市杵島姫命(いちきしまひめ)のことのようです。

イチキシマヒメは、宗像大社の由緒によれば
辺津宮 (へつぐう)に祀るとされているが
古事記では中津宮となっているらしい。
そうすれば、この神社の中津島姫命と符合する。





こんなことがあったのですね。










印象的な土塀です。









次は伊達神社(いたてじんじゃ)。






ここも街中の平坦地。隣は小学校です。





祭神は「五十猛命(いたけるのみこと)」。
伊太祈曽神社と同じです。

イタケルは別名「有功(いさお)の神」と呼ばれる。
隣の小学校は、有功小学校です。




そして、こんなにたくさんの神々がおわします。







配置図の左サイド上にあった大人神社。祭神はスサノオ

この社だけ石造りだった。




配置図の上段の左端にあった天磐座神社。祭神はオオクニヌシ







アマテラスの前にはご神木が立っている。







清らかな境内です。



何故この3社が、紀三所社と謂われるのだろうか?

一説には、伊太祁曽三神を分祀したとあり、そうすると
伊達神社・・・・・五十猛命
志摩神社・・・大屋都比売命
静火神社・・・都麻都比売命
ということになるらしいが、伊達神社以外はちょっと不自然。

もう一説は、神功皇后三韓征伐に用いた船3艘を
武内宿禰に祀らせたことに由来するという。
この征伐に紀氏が水軍として参加し
軍神として志麻神、静火神、伊達神の3神を祀ったという。


謎です。わかりません。ですが
紀氏と日前宮、竈山、伊太祈曽の三社、
そして志麻、静火、伊達の紀三所社。
これらはすべて繋がっている気がします。