高野三題

気が付くと10日の間に3回高野山に登っていた。
3回分をまとめてアップしようと思っていると、
このようなタイトルが浮かんだ。



1回目

徳川家霊台の内部特別公開の最終日だった。
日曜日だった。すごく、すごく混んでいた。
ここは比較的空いていた。









こういう建物は、霊屋(たまや)というらしい。
家康と秀忠の霊屋が同じ大きさ(と思われる)で並んでいる。

内部はガラスの向こう。撮影禁止。
暗くて、ガラスの反射もあって、見づらかった。






HPに「東の日光東照宮、西の高野山徳川家霊台」
という紹介文があった。
東照宮を見たことがないので、よくは分からない。



この日はバイクで登ったが渋滞、いや停滞にあった。
観光バスが並ぶと身動きできない。






2回目

高野山開創1200年記念大法会の最終日。
どういう雰囲気なのか、感じてみたかった。

バイクは疲れたし、車は渋滞、駐車場探し
に苦労する。となれば公共交通機関だろう。

麓の九度山に車を停めて、電車に乗った。








九度山駅
根津甚八真田十勇士のひとりだとは、知らなかった。







電車はギィギィ喘ぎながらゆっくり登っていく。
数カ所で対向待ちがある。ドア付近に立つと下
の景色が見える。よくもまあ、こんなところに
路線を造ったものだ、感心するしかない。









極楽橋でケーブルカーに乗り換えて5分。高野山駅に着く。
金剛峯寺に行けるバスをようやく見つけて乗ろうとすると
「次のバスにしてください」とさえぎられた。是非もない。









次のバスに乗ってようやく到着。
日の丸?昨日新聞で見た・・・



警備の人が両手を広げて「下がってください」と言う。
隣のおばちゃんが「下がれっていわれるとなぁ」と言って
前に出ようとする。私もつられた。

「下がって」は「来ますよ」と同義語。
前に出ようとするのは当然の心理。





秋篠宮殿下と紀子さま
バスはひとつ待つもんです。









壇上伽藍へ行く。








初めての空気感だった。
重く濃密で、かすかな地鳴りみたいなものまで感じた。








鐘撞きの時間だった。
鐘を撞く棒は橦木(しゅもく)というらしい。
たいていは、橦木の下に立って撞くものだが、
ここは反対側から橦木を引っ張る。








金堂で行われる結願法会に向かうお坊さん達。


法会を見ずに帰路に着いた。
あの、法会を待っている人々の空気で十分。






ケーブルカーで下ります。
線路の間に2本のケーブルが見えます。







ケーブルカー同士がすれ違った後
乗ってきた方のケーブルは1本に、
向こう側のケーブルは見えません。
しばらく考えて、そうか、納得。





3回目

数年前、行き止まりで断念した国道371号線での高野登り。
記念法会も終わって、そう混雑もしていないだろうと、決行。


あの三法師ゆかりの橋本市向副(むかそい)から入る。
もちろんバイク。車で高野山に行くのなら、九度山
かつらぎから登れという看板があった。


最初は上る。途中から下りはじめ、そして平坦な道が続く。
休憩所があったので一服。結構広い駐車場に、バイク1台。
とすると、その真横に車が止まった。なんで真横なのだ。

おばちゃん達が、弁当らしきものを持って下車。
休憩所で昼飯を食うつもりらしい。
川の方を眺めていると「こんにちは、どこからですか」
と背後から女性の声。たぶん私しかいないので答えた。
「木陰に車を止めたかったので横に、ごめんね」
やられた。



天国(広い)と地獄(狭い)が交互にやってくる、よくある山道だ。
それにしても上って、下って、そして平。最後はまた上りばっかり、
それしかないなぁ、と思いながら進む。
高野山内」、ちょっと風情のある言い方だ。







高野山内への道。
この写真だけみれば車でOKと思うかもしれないが
のんびりドライブと考えている人はやめた方がいい。

あのおばちゃん達はすごい、只者ではないのだ。









やっぱり、高野山内の標識からは上りっぱなし。
もうすぐ山内と思わせる景色。


ここからしばらくしてトンネルがあり、山内へ出た。
一般的なルートでは西の大門に着くのだが、この道は
東に位置する奥の院側に着く。






やはり普段の高野山だった。


しばらく散策して下山。


帰りも、普通はR480でかつらぎに出るのだが
この日はR370で九度山に出た。

今はR480がメインルートと思われるが
昔はよくR370を通った記憶がある。
R370は、ほぼ高野線と並行して走る道で
なつかしいドライブインも閉めずに健在だった。





そのドライブインの近くで見つけた標識。二つ鳥居とある。


頭のなかに地図を持たない私には
どこをどう歩けば二つ鳥居に行けるのか分からない。
自分は今どこに居るのか、こんがらがってきた。



3回とも、高野山内での滞在時間は、ごく僅かでした。


平成27年5月