三神分祀

昨年末、 「何を祀ってるの?」  「都麻都姫(つまつひめ)です。」
という会話がありまして、少々気になりまして、おっかけてみました。
 
そこ、高積神社は、熊野古道に沿ってあります。
道沿いには中筋家をはじめ、いくつか大きなお屋敷があります。

 
 
めざす高積山(和佐山)です。

 
 
 
高積神社とありますが、ここは下宮の気鎮神社と呼ばれている処です。
高積山(237m)山頂には上宮があります。

上宮、下宮とも御祭神は、 都麻都比賣命(つまつひめ)、五十猛命(いそたける)、大屋都比賣命(おおやつひめ) となっているようですが、延喜式神名帳には、「紀伊国名草郡に高積比古神社、高積比賣神社」とあり、どうも異なる解釈が存在するようです。つまり、都麻都比賣はでてこない。 
 
問題は、伊太祁曾神社の三神分祀です。伊太祁曾神社の、つまつひめ、いそたける、おおやつひめ、は三カ所に分遷せられたとあります。伊太祁曾神社主祭神は「いそたける」であり、では、その妹たちである「おおやつひめ」と「つまつひめ」はどこに鎮まったのか?ということです。
 
都麻都比賣神社というところは、伊太祁曾神社の近くに存在します。ですが、近すぎて分祀の意味がなく、それじゃ高積神社かというとそうでもなく、ここだという説があります。わかりますか?

この小さな祠は「妻御前社」というそうです。

ここが、もともと都麻都比売が分祀された先という説です。
この祠は、なかなか見つかりません。そして振り返らないと見つかりません。
 
 
では、「つまつひめ」の姉、「おおやつひめ」はどこに分祀されたか?それはほぼ定説のようです。
熊野街道沿いにある「力侍神社」の前を通ります。

 
 
それから中村王子跡を通ります。(やや左に標識が立っています)

 
 
ありました「大屋都姫神社」。
 
 
古くは、広大な森林があったと記されていますが、今は、住宅街の中にポツンとあります。

 
 
 
式内社です。

 
 
ふとした会話から、小さな旅ができました。