秋篠寺

平成25年2月10日訪問。
 
ナビに導かれ、気がつくと奈良競輪場の駐車場周辺を走っていた。
こんなところに競輪場があるんか、ちょっと寄りたい気持ちを抑え
くねくねとした細い道を進んで着いた寺の駐車場に空きはなかった。
 
「ちょっと戻ったら観光バスの駐車場があって、そこに停めてもええけど
まあ、ここで待つか?」と駐車場のおっちゃんが言うので待った。
 
おっちゃんは車の前にまわってナンバープレートを確認しながら
「最近、関東の方でなんや宣伝してるらしいんで、多いわ。
いっぱいになることめったにないのに」と言った。
 
一分もしないうちに続々と3組が戻ってきた。
車を一番奥に停めて「ここは無料なん?」と聞くと
「そっ。なんもしてへんし」と笑う。
駐車場を出るとすぐ「東門」があって、ここから入った。

 
 
 
 
 
 
ちょっと意表を突かれた感じがした。金堂跡らしいが苔は予想していなかった。

 
 
 
 
 
 
本堂(国宝)

 
 
 
 
 
 
 
この本堂の中に、伎芸天がおわします。
仏像の制作方法などを書いた「経軌(きょうき)」という密教の書物にある伎芸天は、左手に皿盛花、右手は下におろして衣をねじる、とあって、
ここのお姿とは異なるそうな。
ということは、なにゆえこの仏像を伎芸天と断じているのか、という疑問がわく。
お顔は天平時代で、首より下の部分は鎌倉時代のものらしい。
修理の時に間違えた?ことはあるまいに。

伎芸天をはじめ、ここの仏像は間近に見られる。それがよかった。
 
 
 
 
 
 
狭い境内をゆっくり散策していると、
駐車場のおっちゃんがうろうろと参拝客に話しかけている姿に気づいた。
駐車場は大丈夫なのかと思ったが、聞くのはやめた。

 
 
 
 
 
 
 
何やら、奈良というより京都の香りがした。

 
 
 
 
 
 
南門にまわってみた。

 
 
おっちゃんが言ってた「関東の方の宣伝」やらを調べた。
JR東海が「いまふたたびの奈良」キャンペーンで、ここ秋篠寺を取り上げている。
ユーチューブでCMを見ると、苔むした金堂跡、閑静な本堂、微笑む伎芸天
実に美しい、脱帽。
 
けれど困ったことに、伎芸天より駐車場のおっちゃんが印象に残っている。