義仲寺
小さなお寺です。すぐ前の通りは旧東海道です。
今は多くのビルが建ち並び、この辺りから琵琶湖は見えませんが、
往事は景勝の地であったろうことは容易に想像できます。
義仲公墓です。この地を好んだ芭蕉は木曽塚と称えたとあります。
すぐ側に巴塚があります。この地で討ち死にした義仲公の側室、巴御前は尼僧となり、ここに草庵を結び日々義仲の菩提を弔っていたそうで、ここは、義仲寺とも巴寺とも木曽寺とも呼ばれたと鎌倉後期の文書に見られるそうです。
寺の奥に「翁堂」があります。正面祭壇は芭蕉翁座像です。
この寺には多くの句碑があります。
旅に病んで夢は枯れ野をかけ廻ぐる
行く春をあふミ(おうみ)の人とおしみける
おなじく近江を好んだ司馬遼太郎は、この句は「おうみ」でなければ成り立たない、と書いておられます。
芭蕉も使ったのでしょうか。
奥に翁堂が見えます。小さなお寺ですが、いろんなものが凝縮された、濃密な空間です。
36度を超す猛暑でしたが、ぽつぽつと訪れる人がおりました。晩秋がいいかもしれません。